
パリでは夏のヴァカンス時期、特に8月になると、多くの医師や一部の薬局、クリニックが数週間にわたって休業します。普段のかかりつけ医に連絡がつかない、近所の薬局が閉まっているなど、急な体調不良やケガの際に困るケースも少なくありません。
この記事では、パリで医師・病院・薬局が閉まっているときの対応法として、24時間対応の往診医サービス(SOS Médecins)、営業中の当番薬局の探し方、病院の緊急外来など、信頼できる情報と便利なリンクをまとめて紹介します。
目次
🏥 フランスの医療体制と夏の特徴
フランスには大きく分けて以下の2つの医療機関があります:
- 公立病院(Hôpital public):年中無休・24時間対応
- 自由業の医師(médecins libéraux)が診療する施設:
- 個人で運営する診療所(cabinet médical)
- 複数の自由業医師が入る私立病院・クリニック
このうち医師も、毎年夏に3〜4週間休業することが一般的のため、医師の診療所や、一部のクリニックでは夏季に1か月ほど閉まります。
ただ私立病院・クリニックの中でも、フランスの公的医療保険(Sécurité sociale)と提携していない「非協定病院」に分類される病院があります。その代表例が、パリ郊外の American Hospital of Paris(アメリカン・ホスピタル・オブ・パリ)ですが、緊急外来もあり、夏季も開いています。
- 📍 場所:55 Bd du Château, 92200 Neuilly-sur-Seine
- 緊急外来(Urgences)あり、夏も無休で営業
- 非協定病院(Hôpital non conventionné )のため病院費用は高額(特に入院費用)
- 病院費用が公定価格 ( Tarif de convention) を大きく超えるため、フランスの公的医療保険(Sécurité Sociale)の払い戻しは限定的
- 個人保険を持つ外国人利用者が多い
英語が通じ、日本セクションもあるため、日本人旅行者・ビジネス出張者にも利用されることがありますが、保険の適用範囲に要注意です。
franceparisinfo.hatenablog.com
📱 開業医が休みの時に使えるサービス
🔹 Doctolib(ドクトリブ) で医師を探す

フランスで最も使われている医療予約プラットフォームです。
- 「médecin généraliste(一般医)」を検索
- 地域に「Paris」を設定
- 「Aujourd'hui(今日), Disponible prochainement(近日予約可)」で絞り込み
夏季は空きが少ないため、事前に複数の医師をチェックしておくと安心です。
🔹 SOS Médecins(往診医)

24時間365日対応の医師往診サービスで、ホテルや自宅まで医師が来てくれます。
- 📞 電話:01 47 07 77 77(または全国共通番号 3624)
※3624は有料番号(0.15€/分+通話料金) - 公式サイトから往診・診療所・遠隔診療(téléconsultation)の受診予約が可能
- オンライン予約ページ(英語対応あり)はこちら
- パリ市内(75)および近郊(92, 93, 94)に対応
- 在住者だけでなく外国人旅行者も利用可能(Carte Vitaleなしでも可)
🏨 病院と緊急外来(Urgences)
フランスの公立病院は年中無休で、緊急外来(Urgences)が設置されています。
症状が重い場合はすぐ診てもらえますが、軽症の場合は数時間待たされることもあります。
主なパリ市内の公立病院:
- Hôpital Cochin(14区)
- Hôpital Pitié-Salpêtrière(13区)
- Hôpital Européen Georges-Pompidou(15区)
- Hôpital Bichat Claude-Bernard (18区)
- Hôpital Saint-Louis(10区)
- Hôtel-Dieu(4区、ノートルダム大聖堂前)
また、私立病院の中で例外的に緊急外来を持つ施設として、英語が通じ旅行者に便利な、American Hospital of Paris も利用可能です。
ただし、この病院はフランスの公的医療保険(Sécurité sociale)と提携していない非協定病院(Hôpital non conventionné)のため、病院費用は他の私立の協定病院と比べて高額です。
特に高くなる入院費用に関して、フランスの公的医療保険(Sécurité Sociale)は「協定病院での入院費用の80%」を上限として一部を還付しますが、 協定病院に比べて費用が大きく異なるため、公的保険による還付額はかなり少なくなります。
私立病院・クリニックでは、医師の診療報酬(honoraires)は自由に設定されるため、病院の費用とは別に医師への支払いが発生します。
公的医療保険(Sécurité Sociale)でカバーされなかった自己負担分については、民間の補足保険(mutuelleやprivate insurance)で部分的または全額補填されることがあります。 契約内容によっては自己負担額が大きくなる可能性もあるため、事前に加入保険の内容を確認しておくと安心です。
なお、American Hospital of Paris の緊急外来受診時の Forfait patient urgences(定額負担)については、公的医療保険 (Sécurité Sociale) の補償対象外となっています。
旅行者の場合、費用をカバーするには、旅行傷害保険やクレジットカード付帯保険の活用が推奨されます。
💊 夏の薬局事情と 当番薬局
薬局も個人経営が中心のため、8月は数日〜2週間の閉店がよく見られます。そんなときは当番薬局(pharmacie de garde)を利用しましょう。
🔹 当番薬局の探し方
- シャッターに掲示された「当番薬局」の貼り紙を確認
- MonPharmacien 当番薬局検索(パリ首都圏専用): Monpharmacien-idf.fr
Jour (日中) / Nuit (夜間) - Ameli 当番薬局検索(全国): Pharmacie-de-garde.ameli.fr
Garde de jour(日中当番)/ Garde de nuit (夜間当番)
日曜・祝日 8:00~20:00 - 電話:📞 3237(24時間対応・有料)
- アプリ:「MonPharmacien」などを活用
観光地付近の薬局(例:シャンゼリゼ・サンジェルマン・オペラ周辺)はヴァカンス中も営業していることが多いです。
🧳 旅行者が準備しておきたいこと
- 海外旅行保険証書・連絡先をスマホに保存
- 持病・服薬中の薬・アレルギーの情報を英語かフランス語でメモ
- 薬の成分名(例:Ibuprofen, Paracetamol)を控える
- 通訳アプリのインストール(Google翻訳など)
📝 まとめ:ヴァカンス中も安心して過ごすために
8月のパリでは、医者や薬局が休業していることもありますが、病院、当番薬局、SOS Médecinsなどの制度を知っておけば、いざというときも慌てずに済みます。
また、フランスで医療を受けるための知識を事前に持っておくことも大切です。以下の本は、フランス在住者や短期滞在者にも役立つ実用的な内容となっています。気になる方はぜひチェックしてみてください。